食物の選び方を通じて、絶滅の危機にさらされ、生存が脅されている種を支えて、休暇中の食事をさらに意味があるものにしよう。
問題:自然保護、生物多様性の保全
コンゴ民主共和国のガランバ国立公園で、アフリカで唯一野生に生存するキタシロサイの個体数が過去14カ月で半減し、1960年の推定2250頭から、現在わずか17 ~24頭となった。キタシロサイは保護プロジェクトの対象となっている動物であるが、スーダンからの密猟グループがキタシロサイを殺し、高値で取引される角を奪ったためである。ニシクロサイやその他多くのサイも同様に深刻な絶滅の危険にさらされている。
こうした問題に取り組む企業も複数存在している。コーヒー・フォー・ザ・ワールド社はバダク・カワという商品名のコーヒー1袋の売り上げから、国際サイ基金に1.75ドルを寄付している。購入者はブレンドの種類を選ぶことができ、チータ保護基金に寄付を行っているオクティ・カワや、ユキヒョウ保護を支援するカトマンズ・カワなどを選ぶこともできる。コーヒーの袋にその動物に関する情報が記されている。ザ・サンクスギビング・コーヒー・カンパニーでは、フェアトレード(途上国の生産者に公正な賃金や労働条件を保証した価格で商品を購入することで、途上国の自立や環境保全を支援する取引のこと)認定証付きゴリラ・ファンド・コーヒーの売り上げに関して、その20%を上限として、ダイアン・フォッシー・ゴリラ基金に寄付している。フェアトレード・インターナショナルによれば、その寄付金によりマウンテンゴリラの生息地の周辺地域に医療や技術訓練、小額出資の援助を行い、マウンテンゴリラの保護を強化するプロジェクトを支援している。
また、私たちができることもある。商品を購入する際に、森の林冠の下で覆いをかけて栽培され、鳥にもやさしい、認定証付きのコーヒーやチョコレートを選ぶようにしよう。このような日陰栽培のコーヒー農園は、単一作物の農場よりも多様な生物相が見られ、そこで生息している鳥の種類もけた違いに多い。また、低地熱帯雨林と同じくらい多くの昆虫類も生息しているのだ。
その他にも、カフェ・マム社は日陰栽培されたオレゴン州耕作協会認定の有機栽培コーヒーを販売している。これはメキシコのチアパス州のマヤ族の農民が生産しているフェアトレード製品だ。彼らは、森林を保護し、水の流出を減らすため段々畑を利用している。また、ヤチャナ・グルメ社は、有機栽培のフェアトレードのチョコレートを販売している。ブラジル・ナッツ入りやエッセンス・オブ・コーヒー入りのジャングルチョコレートが選べるこのチョコレートは、すべての利益が教育関係の財団法人に寄付される。この財団はエクアドルの1500ヘクタールにおよぶ熱帯雨林を保護し、その地域の農家を援助している。人類学者のクロード・レヴィ-ストロースが「数滴に森全体が凝縮されているようだ」と評したカフェインの成分を含むハーブティーであるイルバ・マテの売上は、8000ヘクタールにおよぶパラグアイのグアヤキ熱帯雨林保護区の保存に役立てられている。そこには、330種の鳥類、36種の哺乳類が生息し、パウ・ダ・アルコのような絶滅危惧種の硬木もある。
問題:マングローブ林の破壊
海洋動物、陸上動物、植物の成長に不可欠なマングローブ林全体の35%が、主にエビの養殖のために過去20年間に破壊されている。マングローブ・アクション・プロジェクトのディレクター、アルフレド・カルトは「南半球の野生の魚の4分の3が、繁殖にマングローブ林を必要としている」と指摘する。環境保護に適した代用食材として、カルトは網で捕える天然ボタンエビを挙げる。「現在の消費を満たす規模の漁獲量は確保できないが、それでもカリフォルニアやカロライナの地元で楽しむには十分な量だ」と彼は言う。
この問題に対しては、養殖エビを買わないようにすることやボタンエビを購入することで対応可能だ。また、養殖エビの代わりに地球にやさしいストーンクラブを選ぶようにしよう。
問題:単一栽培の増加
単一栽培の爆発的な増加は、大豆やトウモロコシのような単一作物を広大な土地で生産したことによる。そのために、私たちの備蓄食料の多様性が失われただけでなく、熱帯雨林や先祖代々伝わってきた野菜の種が消滅してしまった。1世紀前、米国で7000 ~8000種あったリンゴの品種は現在たった200種になっている。
アメリカのスロー・フーズ・アーク・オブ・テイストでは、商業的に採算を取るのが難しい加工食品、保存食品、発酵食品だけでなく、絶滅に瀕している動物、果物、野菜を救う努力をしている。そのため、絶滅寸前の食物を買うのはもちろん、消費者から保存すべき考える食物を推薦し、登録することが可能となっている。
















