2006年4月、市の汚水タンクから流れ出した汚水が、運河を通って海に広がったことで、ワイキキ海岸に人食いバクテリアのビブリオ・バルニフィカスが発生した。このワイキキにおけるバクテリアの発生だけでなく、アメリカ全土の浜辺で大腸菌が検出されたことを受けて、多くの人々が浜辺の安全性に疑問を抱き始めた。そして、浜辺の状態の監視を求める声が上がっている。
2005年、アメリカの天然資源保護協会(NRDC)が全国水質調査を行った。アメリカ全土の浜辺を対象とする調査が進むにつれ、一部で多量のバクテリア(細菌)が発見された。NRDCが公表した報告書によれば、2004年にアメリカ全土で浜辺が閉鎖された、もしくは遊泳危険と判断された日数の85%は、バクテリア・レベルの上昇が原因だった。暴風雨による洪水が原因となった日数が4144日、汚水が原因となった日数が1319日であった。合計すると、アメリカ全土で浜辺が閉鎖または遊泳危険と判断された日数は、前年から9%増加し、2万日に達した。
カリフォルニア大学ロサンゼルス校で工学を専門とするジェニファー・ジェイ教授が、サンタモニカの浜辺で砂の最上層に含まれるバクテリアを調査した結果、安全と判断された浜辺でも、驚くほど高レベルの大腸菌や腸球菌が検出されたという。ジェイ教授によれば、こうしたバクテリアの菌株には、バクテリア以外の有害汚染物質が含まれていることも多いという。州や地方自治体による浜辺の監視活動では浜辺の砂の状態にまで目が行き届かないが、実は浜辺の砂には海水以上に汚染物質が含まれていることもある。
ハワイで発見された人食いバクテリアほど、危険な菌株が発生する可能性は極めて少ないが、海水浴客は浜辺の閉鎖に関する報告書に目を通す必要がある。最近閉鎖された浜辺のリストや、よく訪れる海水浴場がバクテリアに汚染されていないかどうかを確かめる方法に関しては、NRDC、またはアメリカ環境保護庁のHPをチェックしよう。
浜辺を利用する際の安全対策
浜辺へ行った後には必ずシャワーを浴び、感染症を防ぐために、切り傷やすり傷を殺菌しよう。また、免疫系の働きが低下している人は、海水浴の前後に切り傷がないか確かめることも大切なことだ。浜辺で肝炎菌に感染するのを防ぐためにA型肝炎ワクチンを接種するなどの予防策を講じておくとよりよいだろう。