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オゾン層の破壊

 オゾン層とは、地上から15~30キロ上空に自然に形成されたオゾンガスの層である。太陽光に含まれる有害な紫外線(UV-B)を吸収し、地球上の生物を守っている。

ワイオミング州の草原を漂う積雲
ワイオミング州の草原を漂う積雲

 オゾンは、化学反応を起こしやすい非常に不安定な分子だ。この分子は3種類の酸素原子から成っており、地上から10〜50キロ上空にある成層圏と呼ばれる上層大気で、常に生成と分解を繰り返している。

 塩素や臭素を含む化学物質の排出量が増加したことにより、オゾン層が破壊されつつある。オゾン層の破壊を懸念する声はますます高まっているのは、オゾン層が破壊されると、大量の有害紫外線(UV-B)が地表に到達する危険性が高いからである。UV-Bは皮膚ガンや白内障を引き起こす原因となるなど人体に悪影響を及ぼすだけでなく、動物にとっても有害である。

 また、地球に到達するUV-Bの量が増えると、植物性プランクトン、つまり食物連鎖の最下層を形成する藻類などの単細胞生物の繁殖周期が狂う。生物学者たちは、植物性プランクトンが減少することで、ほかの生物の個体数までもが減少することを懸念している。さらにUV-Bがカエルやサンショウウオだけでなく、幼魚やエビ、カニの増殖速度に影響を及ぼすことも、研究者によって報告されている。

 オゾン層破壊の主な原因は、過去50年間に先進工業国で多用されたエアゾール・スプレーなどに含まれるクロロフルオロカーボン(CFC)だ。CFCが大気圏上層部に達して紫外線を浴びると、CFCは塩素を含む物質へと分解される。その塩素がオゾン層で酸素原子と反応を起こし、オゾン分子を破壊してしまうのである。アメリカの環境保護庁によれば、たった1個の塩素原子によって、10万個以上ものオゾン分子が破壊されてしまうという。

 特に南極上空のオゾン層は、1980年代半ばから汚染による影響を受けている。この地域は気温が低いことから、CFCから塩素への分解速度が速い。南極南部では、春や夏になると日が長くなるため、塩素が紫外線と反応してオゾン分子が大量に破壊される。この時期には、オゾン分子が最大で65%も減少することがあり、低濃度部位が周辺に比べて穴があいたように観測されることから、「オゾンホール」と呼ばれている。また、南極以外の地域でも、オゾン層の破壊状況は約20%悪化している。

 現在、大気中で検出されるCFCの約90%は、アメリカやヨーロッパを含む北半球の先進工業国から排出されている。こうした国々でも、1996年までにCFCの使用が禁止されており、大気中の塩素の量は現在、減少傾向にある。しかし、科学者によれば、現在の塩素濃度が従来の濃度にまで減少するには、あと50年もかかると見込まれている。

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