地球温暖化の原因とは何か?
科学者たちは、地球温暖化の原因を探るために数十年という長い月日を費やした。気候に影響を及ぼすと考えられる自然のサイクルや現象を調査したものの、計測された温暖化のレベルやパターンは、自然要因だけでは説明不可能であった。そのパターンを説明できる唯一の方法が、人間が排出した温室効果ガス(GHG)の影響を含めた分析だったのだ。
収集された情報を統合するため、国連は、1988年に科学者で構成される「気候変動に関する政府間パネル(IPCC=Intergovernmental Panel on Climate Change)」と呼ばれる機関を設立した。IPCCは、数年ごとにミーティングを開き、最新の科学調査の結果を調査し、地球温暖化に関する情報をまとめてレポートを作成している。このレポートは、何百人という一流科学者の合意を得て作成される。
研究によって最初に判明したことは、温暖化の原因となる数種類の温室効果ガスの存在と、さまざまな人間活動によって温室効果ガスが排出されているという事実だった。温室効果ガスの大半は、自動車や工場、発電に利用されている化石燃料の燃焼によって排出されている。温室効果ガスの中で、最も温暖化の進行を促進しているのは、二酸化炭素(CO2)である。二酸化炭素のほかにも、廃棄物埋め立て地や農家(特に草食動物の排泄物)から発生するメタン(CH4)、肥料から発生する亜酸化窒素(N2O)、冷凍システムや工業工程で使用されるガス、そして本来ならばCO2を吸収する働きをするはずの森林が伐採などによって減少していることも、温暖化の原因といわれている。
温室効果ガスは、それぞれ方法は異なるものの、熱を閉じ込める機能を持つ。その中には、CO2よりも熱を閉じ込めるものも存在する。例えば、メタン分子はCO2分子の温室効果の20倍以上にもなる温室効果を引き起こす。さらに、亜酸化窒素の温室効果は、CO2の300倍にも相当する。そのほかにもクロロフルオロカーボン(オゾン層を破壊するため、世界の大部分で使用が禁止されている)など、CO2の数千倍にもなる温室効果を有するガスもある。しかし、これらのガスの濃度はCO2よりもはるかに低いため、地球温暖化に及ぼす影響もCO2よりも少ない。
温室効果ガスの影響を正確に把握するため、科学者たちは、すべてのガスの排出量を「二酸化炭素等価排出量」で算出している。この算出方法によれば、1990年以降、世界の年間温室効果ガス排出量は20%以上上昇しており、約60億トン増加したことが分かった。











