ティロサウルスは、古代の海で最も恐ろしい捕食動物だった。自分より小さい生物を目にすると、ほぼ確実に襲いかかった。アゴには先のとがった円錐形の歯が上下左右に並んで、口の先端部分で獲物を仕留め、口の中に入れると丸飲みにした。上アゴの内側にはさらにもう1列の歯を持っていて、最後の一飲みのために口を大きく開けても、弱った獲物が逃げることはなかった。
ティロサウルスは体長14メートル以上にもなり、モササウルスと呼ばれる海生爬虫類の仲間では最大だった。ほかのモササウルスと同様、筋肉の発達した長いしっぽは縦に扁平な形状で、水中を力強く泳いだ。しっぽを使い急激な加速をして、待伏せた獲物に一気に襲いかかったと考えられる。へら状の四肢は、トカゲのようなうろこで覆われた細い体を、方向転換させるのに役立った。
残っていたティロサウルスの胃の内容物からは、魚が主食であったことが分かっている。海鳥やサメ、プレシオサウルスなどのほかのモササウルスも、ティロサウルスから逃れることはできなかったようだ。ティロサウルスは恐竜ではないが、彼らと同時代を生きてほぼ同じ時期に絶滅した。カンザス州では多くの化石が見つかっている。