この美しい灰色のヒョウは中央アジアの山岳地帯に生息する。その体は寒さを防ぐための厚い毛で覆われ、幅の広い足はスノーブーツのような機能を果たす。非常に強靭な足を持ち、15メートルも跳躍できる。ユキヒョウはその長い尾を、バランスを保つだけでなく、山岳地域の厳しい寒さからデリケートな体の各部分を守る覆いとしても利用する。
チベットやヒマラヤ山脈に住むアオヒツジ(バーラル)や、ユキヒョウの生息域全域で見られるアイベックスを獲物とする。体重が自分の3倍もある動物でも仕留めることができる強靭な肉食動物だが、モルモットやノウサギ、キジ、ガンなどの小さな獲物も捕らえる。
インドのある国立公園で保護観察されていた1頭のユキヒョウが1年間で食べた量は、アオヒツジ5頭、チベットケナガノウサギ9匹、モルモット25匹、家畜のヤギ5頭とヒツジ1頭、鳥15羽だったと報告されている。この報告からもわかるように、ユキヒョウは家畜を襲うことがあり、農民たちが多くのユキヒョウを殺す理由となっている。
このような理由による捕殺や、毛皮や漢方薬の材料となる体の一部を目的とした密猟が原因で、絶滅寸前のユキヒョウの個体数は激減しているようだ。生息地の消滅や獲物となる大型哺乳動物の減少もその要因となっている。