ラッコは北アメリカとアジアの太平洋沿岸に生息する。彼らは大半の時間を海中で過ごすが、生息域によっては、陸上で睡眠を取ったり、休息するものもいる。足には水かきを持ち、保温性が高く水滴をはじく毛皮をまとっており、海中では鼻孔や耳を閉じることができる。
水面に静かに休むように浮かぶことが多く、そのまま集団で眠ることさえある。しばしばコンブの群生地に溜まっているところが見られるが、これらの海草はラッコが流されないようにする碇の役目を果たしている。
ラッコは海の上で寝ているだけではない。海底から器用に運んできたハマグリやムール貝、それと石を持っている姿をしばしば見かける。その石を胸の上に載せ、殻が割れて美味しいエサを味わえるまで、貝を何度も石に叩きつける。ウニやカニ、イカ、タコ、魚もエサとする。
カワウソの仲間ではラッコだけが水中で出産する。母親は海に浮かびながら子どもを胸に乗せて育て、泳ぎやエサの取り方を教えこむ。
また、彼らは大変なきれい好きでもある。食事の後は海中で体を洗い、歯や前足を使って毛皮の手入れをする。これには、毛皮をきれいに保つことで防水性と断熱効果を維持しているという理由がある。分厚い下毛が生えており、ここに空気を封じ込め、冷水に対する断熱材の役割を持たせる。ラッコは断熱効果をもたらす脂肪層を持たないので、この毛皮は本当に貴重だ。そしてそれは、一部の人間にも珍重される。
ラッコは乱獲により絶滅の危機に瀕していた。20世紀初頭、その数は1000〜2000頭にまで減少。しかし、現在は個体数は増加し、法の保護の下で10〜15万頭が生息している。