キツネザルはアフリカのマダガスカル島と近隣の小島にのみ生息する霊長類である。地理的に孤立しているマダガスカルは、地球上のどこにも見ることのできない多くの珍しい動物の生息地だ。大昔に海流が運ぶ植物のいかだに乗ってたどり着いたと考えられるキツネザルは、数え切れない年月にわたり、この隔離された島で進化してきたと思われる。
ワオキツネザルは非常に特徴的な白黒の鮮やかなしま模様のある尾を持っている。彼らは、多くの動物園でおなじみの動物だ。
木から木へと手足を使って素早く移動するが、ほかの霊長類のように尻尾で物をつかむことはできない。多くの時間を地上で過ごすが、これはキツネザルの仲間では特異である。主に果実を食べ、ほかにも葉や花、樹皮、樹液も食べる。
ワオキツネザルには強烈なにおいを分泌する腺があり、そのにおいをコミュニケーションの手段や、時には武器として用いる。自分のにおいで縄張りを区分し、相手に自分の存在を知らせる。繁殖期には、より強いにおいで相手を上回ろうと競う。分泌液を尾全体に付着させて振り、誰が最強なのかを決めようとする。
彼らは「トループ」と呼ばれる群れで生活する。群れは6〜30匹で構成されるが、平均的には17匹程度のグループが多い。オスもメスも群れで暮らすが、最も強いメスが群れを取り仕切っている。
ワオキツネザルは絶滅の危機に瀕しているが、それは主に彼らが好む乾燥した疎林地帯が急速に消滅していることによる。