ネズミイルカは、誤って漁網にかかることがあり、その数は減少している。正確な個体数は定かではないが、生息域が広いため、減少してはいても現在もかなりの数が生息していると考えられている。
北半球の温暖な海岸沿いに生息しており、水深150メートルに満たない浅瀬を好み、港や湾でよく見かけられる。さらに川や河口、海水の混じった水路など、内陸の水の中にもよく現れる。
魚が主なエサで、クジラ目の中では最も小さく、平均的な体長は約1メートル、体重は50キロほどである。水深200メートル以上まで潜ることもできるが、普段は海面近くにいて、だいたい25秒ごとにくしゃみに似た独特な音を立てて潮を吹く。
同じ仲間でもマイルカと違い、前頭部やクチバシは突き出ていない。頭は丸く滑らかで、クチバシはなく、上方にカーブする黒い唇とスペード形をした歯を持つ。首は短くてあまり動かすことができない上、灰色がかった胴体との境目がよく分からない。その首の部分から尾ビレにかけて、体は次第に細くなる。曲線を描く尾ビレは小さく、真ん中に切れ込みがある。
ネズミイルカは人なつこくないため、野生の生態を知るのは難しい。それゆえ専門家たちが調査するのは、誤って漁網にかかり救助されたか死んでしまった個体だ。例えば、1990年代初期のアメリカ東部メーン湾海域では、年間3000頭ものネズミイルカが刺し網などにかかっておぼれてしまった。化学汚染や騒音も生息数の減少の原因になっている。
国際自然保護連合(IUCN)は現在、ネズミイルカを絶滅危惧II類に指定しているが、カナダや米国などは独自の分類をしている。