ハイイロカンガルーはオーストラリアとタスマニアの森林に生息しており、開けた草原に来て草を食むこともあるが、基本的には森林に暮らすことを好む。ハイイロカンガルーやアカカンガルー、ワラルーがオオカンガルーに分類されているのは、そのほかの70種類のカンガルーに比べて大きいからだ。
ハイイロカンガルーは力強い後ろ足を利用して高速で飛び跳ねることができ、時速50キロ以上に達することもある。長い距離も時速20〜30キロで移動することが可能だ。1回の跳躍で約8メートル、高さは約2メートルもジャンプすることができる。
メスは1度に1頭を出産し、産まれたての子どもはサクランボの実よりも小さい。産まれてすぐに母親の育児嚢(いくじのう)と呼ばれる袋に入り、2カ月間出てこない。育児嚢から出るようになっても、10〜11カ月経つまでは、子どもはびっくりするとすぐに袋に飛び込む。成長するにつれ、子どもの頭や足が育児嚢からはみ出すようになってくる。
オスのほうが大きく、がっちりとした体格をしている。ほかの動物と同様、カンガルーのオスも将来の繁殖相手をめぐって争うことがあり、まさにボクシングのように前足で蹴り合うのだ。また、ディンゴなどの天敵に出くわしたときなどには、噛みついたり、鋭いツメで引っかいたりすることもある。
オーストラリア大陸の先住民であるアボリジニやヨーロッパ系オーストラリア人たちは、何世紀にもわたって広大な土地の開拓や水資源確保の工事を行ってきたが、それはカンガルーの増殖にとっても有益であった。何百万頭ものカンガルーがオーストラリア大陸で生息しているが、その皮や肉のために毎年相当数が捕獲されており、最近では食用よりも皮のために捕獲されることが多い。