ディンゴはオーストラリアの野生イヌとして有名だが、東南アジアにも生息している。オーストラリアのディンゴは、約3000〜4000年前にオーストラリア大陸へ渡ったアジアのディンゴの子孫ではないかと言われている。金色や赤みがかった色の毛色をしており、単独または最大10匹の群れを作って生活する。広範囲を移動し、オオカミの遠ぼえに似た声で互いにコミュニケーションを図る。
ディンゴは、単独あるいは群れで力を合わせて狩りを行う。ウサギや齧歯(げっし)類の動物、鳥やトカゲのような小動物をエサにしており、また果実や植物も食べる。また、人間が捨てたごみをあさって食べることもあり、これは特にアジア地域のディンゴによく見られる。
ディンゴは年に1度しか出産しない。子どもは通常5匹ほど産まれ、生後6〜8カ月になると親離れする。群れでは、繁殖において支配的なメスがほかのメスの子どもを殺してしまう。
オーストラリアには非常に多くのディンゴが生息しているため、一般に害獣と見なされている。有名な「ディンゴ・フェンス」は、ヒツジ用の牧草地を保護するために設置されたものである。現在オーストラリアに生息しているディンゴの数は、ヨーロッパ人が最初にこの地にやってきたときよりも増えているようである。
ディンゴの生息数は非常に多いものの、その純粋な遺伝的特性は危険にさらされつつある。ディンゴは飼いイヌとの異種交配が可能なため、混血種を作り出しているのである。研究では、オーストラリア南東部に生息するディンゴの3分の1以上に飼いイヌの血が入っている考えられている。