イモガイの一種アンボイナの毒は非常に強く、瞬時に獲物を麻痺させる。腹足類であるアンボイナは動きが遅いため、もし獲物の魚が麻痺せずに逃げ出し、別のところで死んでしまったら、そのエサにありつくことはできないだろう。インド洋や西太平洋の岩礁に生息し、体長15センチまで成長する。茶色と白色の美しい模様を持つ殻は、収集家の間で人気が高い。
確認されている500種のイモガイの中でアンボイナは最も強い毒を持ち、人間の死亡例もある。数百もの異なる毒素から成る毒を、吻(ふん)と呼ばれる管から飛び出る銛(もり)のような歯から注入する。イモガイ毒の血清はなく、刺されると、毒が消えるまで待つしかない。
皮肉なことに、これらの毒成分の中には、個別に抽出すれば鎮痛剤として作用する可能性を持つタンパク質が含まれている。研究により、これらのタンパク質が人間のある特定の疼痛受容体に作用すること、そしてモルヒネの1万倍の効果があるが、依存性や副作用がないことが明らかになっている。