フグが体を膨らませることはよく知られているが、生物学者はこの理由について、フグは速くスムーズに泳げないため敵の目に付きやすいからではないかと考えている。つまり敵から逃げる代わりに、伸縮自在の胃に素早く大量の水や空気を吸い込み、相手が物理的に食べられない大きさに膨らむのだ。大きさは普段の数倍にもなる。皮膚にトゲを持つ種もおり、これで敵はいっそう食欲をそがれることになる。
フグといえば、彼らが持っている毒も有名だ。ほとんどのフグは、体内にテトロドトキシンという毒があり、この毒は腐ったような味がするばかりか、多くの魚を死に至らしめる。人間にとっても猛毒であり、その毒性は最大で青酸カリの1200倍にもなる。これはフグ1匹で人間の大人30人を殺せるほどの強さだ。
フグは種類によっては高級食材として扱われる。日本ではフグは非常に高価で、訓練を受けて免許を持つ料理人のみが調理できる。包丁さばきを1つ間違えれば、客はほぼ確実に死んでしまうからだ。実際にほぼ毎年、無免許での調理により数名だが死者が出ている。
世界中には120種類以上のフグが存在する。そのほとんどは熱帯や亜熱帯の海で見られるが、汽水や淡水域に住むものもいる。通常、体は細長く頭は丸い。毒を持つことをアピールするために派手な色と模様をしているものもいれば、周りの景色に溶け込むために控えめで地味な色をしているものもいる。体長は約2センチの小型種から、60センチ以上に成長する淡水の大型種までさまざまである。総じてウロコはなく、ザラザラでとげばった肌をしている。また、4本の歯があり、一対のクチバシのようになっている。
フグは主に無脊椎動物や藻類などを食べる。大型のフグになると、二枚貝やイガイ、甲殻類などを堅いクチバシで割って食べる。毒を持つ種類のフグは、エサとしている動物の体内にいる細菌から猛毒を合成すると考えられている
環境汚染や生息地の消滅、乱獲によって絶滅の危機にさらされている種もあると考えられるが、おおむね個体数は安定している。